
電話口で車名を聞いたとき、どういう車なのか思い出せませんでした。年式が90年というので、今時のデザインを想像していました。現場では、オーナーさんがもう1台の旧車を整備しています。相当なエンスーなのだと感じました。そういえば、こういう車、見たことある。

2cvは最終製造年が90年、設計は60年代のままなので、これほどまでにノスタルジックな外観なのだそうです。調べて見ると排気量が600cc、馬力が30HPほど、車重がなんと590kg。現代基準の安全装備はどうみても皆無です。しかも、今時当たり前の快適装備である、エアコンやらパワーウインドウなどは一切ない。こだわりと愛着がなければ、絶対に乗れない。

まずは運転席ドアのカギを作成します。案の定、オフィス鍵作レベルの作業でした。こういう外車だと、ドアの鍵作はおまけみたいなものです。やっかいなのは、イグニションでしょう。このドアハンドルは、施錠時はクルクルと空回りします。奇妙なハンドルだ。

ドアで作ったカギが、ハッチで廻るか確認します。あれ、鍵穴に入りません。運転席ドアは、かなり使い込んでいるので、正解でないブランクまで差し込めたようです。ブランクを変えて、再度カットします。すぐに完了です。

車内の運転席に座りました。計器類を見ると、やはりレトロの極み。

イグニションの鍵穴は5ピンシリンダーです。ブランクを調べて見ると、奇妙な形状です。在庫はないのですが、なぜかお客さんが純正ブランクを1本持っていました。車屋さんから購入したそうです。失敗するわけには行かないので、代用できるH版ブランクを見つけて作業していきます。

鍵穴の手前にワイパースイッチがあり、覗く作業ができないので、やりづらい。要領を得たお客さんが取り外してくれました。ありがとうございます。ピンが上下逆向きで、やはりピックができません。フルインプレッションしかありません。

代用したHブランクで廻るようになりましたが、これだとハンドルロックがかかりません。ブレード部分を純正ブランクにコピーします。やはり正解ブランクの先端部分が鍵穴の奥に引っかからないと、だめなようです。日が暮れた頃、ようやく完成しました。
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