並行車なので年式は不明ですが、1970年くらいだろうとのこと。誕生年が自分とほぼ同じ名車に出会いました。鍵を作ったら、どうしてもエンジン音を聞きたい。でも、バッテリーが死んでいると言われて残念無念。
後ろから見てもカルマンギアは美しい。こういうエンスーな人は随分減りました。快適装備の楽チン運転が当たり前の現代のクルマとは大違いです。運転する苦労を楽しめる人でなければ、車をコントロールしているという快感は味わえないでしょう。
ちなみに料金は\30,000頂きました。お客さんと話をすると他の鍵屋の電話応対がよくわかります。出来ないという回答が多く、最も高い料金は\70,000という回答だそうです。外車の鍵作成となると、提示する料金の差がすごく激しくなります。言い値の世界ですが、やはり外車ということで、料金をふっかける鍵屋も実際には多いのです。気をつけましょう。
いい加減作業を始めなければいけません。ドアキーとイグニションキーは一緒ですが、今時のリバーシブルキーではありません。つまり左右対称のキーではありません。
キーを差し込む向きは、ごらんの通りです。逆向きだと、完全に鍵穴奥まで入りません。
ドアのタンブラー9枚のピッチを確認します。ピックは至極簡単、配列を読みます。キー右側の刻みと左側の刻みのデプスは違います。
イグニションのタンブラーは8枚ですが、ドアとは傷の出る位置が違います。同業者で経験者に聞いたところ、10枚カットだと言うので、イグ先端は追加なのかと考えました。しかし、インプレッションをする過程で、どうもつじつまが合わないことに気がつき混乱します。いくつかのパターンでカットしても鍵は廻りません。
insta codeを持っている鍵屋仲間がいたことを思い出し、ドア内張りを剥がし、ハンドルを取り外します。キーナンバーを伝えて配列を教えてもらいました。イグニッションに追加はなく、9枚のようです。
ドアの配列をスライドさせたのがイグの配列で、2つを重ねあわせればキーは完成です。
リバーシブルキーなら重ね合わせることは出来ません。こんな名車の鍵作に携われたカギスターは幸せ者です。このタイプはおそらく最初で最後でしょう。
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