めったにお目にかかれないプッシュ栓錠です。プッシュ栓錠は室外からのみの施錠・開錠となり、内側からは施錠できません。室内側には捻締錠が異なる高さに付いています。捻締錠は、アルミサッシが普及する東京オリンピック以前、木製建具によく使われた金物のようです。つまみを捻じ込みながら3,4回転まわします。
プッシュ栓錠は、一部のロックメーカーではまだ製造しています。どうやらプッシュ栓錠の老朽化で、かぎを締めることができないそうです。このBESTのプッシュ栓錠は、鍵を強く押し込みながら3,4回転ほど回します。正直この操作は、面倒くさい。
原因は受け金具の磨耗でした。スパイラル状の溝が磨り減っているので、シリンダー裏のドリル形状のかんぬきを受け止めることができません。防犯性と利便性を考えて引き違い錠を加工取付することとなりました。
引き違い錠のケースのサイズに合わせて木をくりぬく必要があります。25×110の長方形サイズをベルトサンダーでブイブイ削ります。
室内側の木製引き戸も同様に削り取ります。木の研削は楽しいけど全身が木粉にまみれます。
WEST355引違錠のシリンダー側を取り付けました。引き違い錠の多くは、鍵を押しながら鍵を回す操作なので、利便性がなく、建付けのずれの影響を受けやすい。WEST355は鍵を押す必要がなく、開き戸と同様の操作なので、使いやすく、防犯性にも優れています。
錠ケースを固定するため、テクスねじを2点取り付けます。ビス頭が飛び出ないように、座グリを作ります。最初からザグリ穴になってればいいのに、とWEST355を取り付ける度に感じます。ザグリを作っておかないと、引き戸2枚のチリが小さい場合は、ビス頭と引き戸表面がこすれてしまいます。
室内側のスライドサムターンです。セットピンを穴に差し込んで、内外のずれがないことを確認します。スライドサムターンの下側には、捻締錠があります。格子のないガラスなので、割られて手を入れられると、簡単にサムターンを上げられます。外からは見えない捻締錠が、補助錠として機能します。
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