2013年12月、八王子の戸建てにお伺いした依頼内容は、金庫の鍵作成でした。実は、玄関キーを含むカギ束を紛失したというお話を聞きます。玄関ドアはかなり古いので、ドア交換しかないと思い込んでいたようです。鍵作完了後、玄関錠を確認します。
alphaのサムラッチ錠ですが、初めて見るデザインです。カタログにも当然載っていません。錠ケースのバックセットが100です。なので、薄扉。サムラッチ錠といえば、BSが60もしくは64しか出くわしたことがありません。
玄関ドアを30年ほど使用していることから、当然廃盤です。シリンダー交換以前に、錠ケースが壊れていることが判明しました。デッドボルトは、スプリングが全く効いていない。
ラッチボルトも動きがおかしい。ここ1年ほど、ドアを開けられずに苦労した経験を何度もしているそうです。放っておくと、外からも内からもドアを開けられないトラブルが必ず起こります。
今まで起きなかったのは運が良い。錠ケースを付けておくこと自体が危険なので、とりあえず取り外して、現場を引き揚げます。
室内ノブ側にスピンドルが付いています。多くのサムラッチ錠に出くわしましたが、この構造は初めてです。スピンドルは室外側に付いているのが常識だと思っていました。
alphaのサムラッチ錠シリンダーを交換します。関係ない部分を分解してしまい、少し混乱します。初めてGOALのシャメールをばらしてパニックになった不安を思い出します。
なんとか元に戻して、ようやく構造を理解できました。キーシリンダーは、ビス2本固定です。 サムピースをはめ込むのに少しコツが必要でした。
取り寄せたshowa ISのインテグラル錠ケース、ダルマの溝の向きとシリンダー角芯の溝向きが180度違うので、このままでは差し込めないとわかりました。
このドアが右勝手だったら、この問題は発生しなかった。この錠ケース、ラッチボルトの向きを変えるには、蓋を外すしかないです。また、取っ手の二本脚の
ピッチが錠ケースとあわないことも発覚。脚を通す穴を横に広げて加工します。
錠ケースを固定し、サムラッチ錠の動作を確認して作業完了です。供給されているシリンダーは現在ブラックのみです。フロント長は140から130に変わります。室外サムラッチハンドルの寿命が切れるまでは、きちんと機能するでしょう。
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