秋も深まりつつある2009年10月半ば。日野市のマンションに到着しました。エントランスのキーシリンダーと管理人室のキーシリンダーが不調なので、解決してほしいとの依頼です。

エントランス玄関集合機のキースイッチはMIWA PRシリンダーです。カギを差し込んでも廻ったり、廻らなかったりという状態です。PRシリンダーは2007年くらいからこういったトラブルばかりです。特に雨風が直接当たる通用口ドアに採用されたPRシリンダーにおいては、カギが廻らない現場に何度も向かっています。鍵屋さんの間では「欠陥シリンダーじゃないのか?」とまで言われる始末です。

玄関機のパネルを外します。今までの外し方とは大きく違うのを理解するまでに時間がかかりました。キースイッチの種類はKS-222、ねじ込みタイプのシリンダーです。築年数約15年の分譲マンションですから、物件丸ごとPRシリンダーのキーシステムに交換したのは3年以内でしょう。

シリンダーから内筒を取り出します。タンブラーが濡れている・・・普通の潤滑剤ではないのかな。昨日も今日も雨は降っていないので、水ではないでしょう。管理人さんに聞くと、miwaの粉末潤滑剤しか使っていませんとの回答です。

キーを差し込んでタンブラーの動きを見る。1枚だけ動きが猛烈に遅い。シアラインに揃うまで3秒もかかる。キーを挿入後3秒待てば鍵はスムーズに廻ります、とは住人には言えませんね。鍵の回転が渋いからと、マンション住人がCRC556を吹いたのかも知れません。ブレーキクリーナーで洗い流し、エアダスターを吹きます。タンブラーの動きがすこぶるスムーズになりました。

さらにロッキングバーを削り、誤差許容範囲を広げます。若干のホコリや油分でも異常を来たしやすいPRシリンダーです。度重なるトラブルの確率を低くするためには、メーカーが推奨しないやり方とはいえ、これが確実なのです。

管理人室ドアのLAシリンダーも同様に分解洗浄して、組み立てます。スナップリングをはめ込んで完了です。トラブル頻発に苦慮したマンションデベロッパーの中にはPRシリンダーの採用をやめて、GOAL
GRAND Vを取り付けていると聞いたことがあります。防犯性と精密性を高めすぎた結果なのか、あるいは構造上キックバネに問題があるのか。カギスターは信頼性の低いPRシリンダーは原則取り扱いません。
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