到着したときに、金庫ドアは開いていました。何度も何度もダイヤル操作をするうちに、ドアが開いたそうです。少しショックを受けました。予定していた売上が0になるかも知れない・・・鍵屋の予定売上は、現場到着後に変わることがよくあります。
DelicaLeo FireProofSafeと書いてあります。デリカレオは、ライオンのブランドのようです。お客さんの言うとおり、ダイヤル操作をしても、デッドが引っ込んだり、引っ込まなかったりします。常に動作不良が再現しないので、原因がわかりません。
扉の裏板を外し、こういうリロッキング構造なのね・・と思いながら、ダイヤルボックスを取り外します。
この金庫は、約20年間ほぼ毎日使用してきたそうです。磨耗が原因なのか、追求していきますが、なかなか判明しません。業務用金庫の場数が多い鍵屋なら、迅速に原因を推測できるんでしょう。
DD以外の座3枚を外し、ダイヤルボックスを水平に寝かせて操作すると、カンヌキが引っ込まない現象が100%再現できます。よく見るとDD座の切欠を呼び込む、ひょうたん部品が削れていることがわかりました。ひょうたんと接する3枚の座の切欠は問題ないのですが、DD切欠と接する部分だけが磨耗により、DDとかみ合わず、DD座を呼び込めない状態でした。使用回数は何万回でしょうか、寿命が尽きたということですね。
新しいダイヤルに交換することとなりました。軸の長さはいろいろなので、たいてい現場で切断するのですが、今回は加工の必要もないダイヤル在庫がありました。
お客さんの要望は、今までと同じ番号でダイヤルを使用したいとのこと。業務用ダイヤルなので、自由に番号を変換できます。新しいダイヤルを使用すれば、また20年くらいは使えるでしょう。ただし、コンクリの水分が失われており、耐火性はもうありません。
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